翔が旅立ってから今日で4年。
翔が見た景色を見たくて、現地に行ってきた。
車から降りたと同時に優しい風が吹いて、きっと近くにいてくれるのだと思った。
一緒に出向いた友人が交差点を見つめながら
「人生って難しいね」と言った。
1分1秒違っていたら、また変わった未来だったのかと思うと難しいと続けた。
言ってもキリがないなんて分かり切っている。
だけど、これも翔が教えてくれたことの1つだと思ってる。
1秒先何が起こるかなんてわからなくて、そのくらい一瞬の積み重ねで
日々が続いていること。
目の前の人や出来事も当たり前にあることじゃない。
だから大切にしなきゃいけないんだということを教えてくれた。
あの日から時間は確実に流れ
4年前高校生だった僕は来年社会人になる。
この4年の間、翔を忘れた日はない。きっとそれはこれからも続く。
自分にも必ず来る最期のときに「幸せだった」と思えるように。
そして、翔のように
姿や形が見えなくなっても愛される存在になれるように。
またどこがで会えることを信じて。